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2016年3月8日火曜日

地方オケ、地方バンドの戦い方(5)値上げをしてみよう~チケットの「格上げ」





こんにちは!謎の肩書の男、梅本です。



さてしばらく

「地方オケ、地方バンドの戦い方」

というテーマで書き逃げしております。


今日は「値上げをしてみよう」

ということで。


地方というと何かと安いイメージ。

特に都会の人からは

「物価安いんでしょ?いいじゃん」

なーんて言われますが、

別の国じゃないんだから、

そんなに変わらないです。


なのに給料水準はバカ安。

これだけがバカ安。


給料安いんだから少々物価が安いどころじゃむしろマイナスなんですよ!(怒)


結局遠いところにある激安スーパーまで車使って行くことになるんですよ!


ザッツ・田舎・・・


地方創生なんて言ってますけどねアナタ、

とにかく給料を上げてくれと、無職の僕でも叫びたい。


そんな現状なわけですから、

公演やワークショップなどのチケット代も、

ある程度安くしないと買ってくれないんですよ。


貧富格差ってのは地方に行けば行くほど広がるんですたぶん。


だから、チケットを売っても売っても、

団体の運営は苦しいばかり。

自転車操業の毎日。


いかがでしょうか地方団体の皆様。


もしそんな感じでしたら、


いっそ値上げをしてみましょう。


バカな!


と思うかもしれません。いやむしろ思ってください。


ここでの仕掛けは、

「アイディア次第で高価格商品を用意する」

というところに肝があります。


現行のチケット代金を上げようというわけではありません。


商売では「見せ商品」みたいなのがあります。

「この商品は高いな!」と見せて、

「それに比べてこっちは安いな」と、

本当に売りたい商品を売るのです。


皆さんはどうですか。

自分で公演に行く際に、

SS席、S席、A席、B席。

どの席を買うことが多いですか?


この場合、SS席はべらぼうに高かったりします。

多くの人はSS席には手が出ません。富裕層のための席です。

S席は中~上流階級の席で、

こちらもそんなに多くの方が買えるわけではありません。


ですが本当に多く売りたいのは、A席。

そしてこの場合に最も売れるのも、A席です。


要は上にSSとSという高価格帯の商品を「見せ」ておいて、

下にB席という安いけど音響悪そうな席を「見せ」ておいて、

上と下を敬遠させて本当に売りたいA席を大量に売るわけです。


お分かりいただけただろうか。


で、このように座席の場所だけで選択させて売れているなら問題ないのですが、

実際にはこれをやっても集客できないと。


肝心なことを忘れてはいまいか。

ホールのことをよく知っているあなたなら、

SS席がどんだけいい響きで聴こえるか知っています。

他の席もどのように聴こえるか知っています。


ですがそのホールに来たことがない、

または来ても数回、

そのようなお客様にとって、


「SS席やS席には何のプレミアム感もない」


のです。


プレミアムチケットを用意したはずが、

お客様にはそれがプレミアムだとわかってもらえていない。

この場合「見せ」が無効になります。

比較するものがありません。

A席の魅力はナッシングになります。


結果・・・

どの席も買いません。

あなたの公演のチケットは売れませんでした。



ということになってしまいますよ!



「見せ」商品には、サルでもわかるようなプレミアム感がなければいけません。


「このプレミアムチケットを買ったらすげー楽しいんだろうけど、

 今はお金もないし普通の指定席にしておこう」

こんな感じに誘導したいんです。


「チケットを買うか買わないか」

から

「どのチケットを買うか」

無意識のうちに意識を変えたいのです。


プレミアム感を出すのは座席指定ではなく、

「体験を想像できるもの」

でなくてはいけません。


例えばマエストロとのアフターパーティーとか、

ワークショップへ参加できるとか、

そういうもの。


それをプレミアムチケットとして最上部に持ってきて、

「見せ」商品にします。

そんなに集まってもらっても困るので

せいぜい20~30枚くらい用意するだけでもいいです。


値段は信じられないくらい高く設定します。

一番売りたい通常シートの3倍でも5倍でもいいです。

内容に応じて強気の値付けをします。

どうせ買うのは限られた一部の富裕層なのでいくらでもいいです。

シート数も少ないので売れ残っても構いません。


そして、多くの人に

「これは高いな、買うならこっちだな」と思わせて、

一番たくさん売りたい席を売る。


値上げをするというのはそういうことです。

相対的な価値を上げること。


「行かなくてもいい演奏会」

から、

「どの席買おうかな」

一気に格上げするのです。



全てはプレミアムなアイディアを出せるかどうかにかかっていますが、

考えるだけならタダですから、考えない理由もありません。

ぜひ検討してみてください。





それではまた次回。








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